2016年10月18日
40歳になる娘に来年初めての子供が生まれる。
産着だのロンパースだのタオルだの出産準備品をアメリカに送るので準備している。
上質のガーゼがいいとか、女の子だからと言ってピンク色なんかばかり買わないで、とか何かと娘はうるさい。
やはり日本の繊維は物がいいらしい。
どうせ送るならと、奥の方に閉まってあった30年程前の人形たちを出してみた。
私は貧乏性のせいもあり、絵本など捨てられないものがまだいくつかある。
服を脱がして洗い、顔と手足を拭き、二体の人形を干した。
ピンクのドレスの西洋人形の通称〝道子ちゃん″と一時大流行だったキャベツ人形。
二人とも愛らしい顔、当時の子育てを思い出して、あたたかい気持ちがよみがえる。
2016年10月13日
姉と本の回し読みをしている。
回してもらった本達の中で、小川糸さんの「ツバキ文具店」が面白かったという話になって、
書かれている鎌倉の和田塚にある〝つるや″の鰻を食べに行こうと言う事になった。
調べたら鎌倉駅西口に出て歩いて13分と書いてある。
プリントアウトした地図を見ながら、商店街を歩く。
道の右手に間口の小さな洋服やさん。
ドアの外からのぞいてみると、いかにも鎌倉のセンスあふれる洋服小物がある。
お店は閉まっていて、メモが貼ってある「12時10分に戻ります」
姉はどうしても見たいから、向かいのカフェでお茶をして待ってもう一度来ようと言う。
その店の向かい側には新栗のモンブランケーキとコーヒーの看板のしゃれたカフェがある。
私たちはこれから鰻を食べに行くのに、ケーキとコーヒーをいただいた。
洋品店に人が戻ってきたのでその小さなお店に行く。
明るいグレーのカーデガンやグレーのマフラー、グレーのアクセサリーとにかくセンスがいい。
お店の人二人もとてもセンスのいい明るいおば様たちで、姉も私も大喜びで奮発して買い物をしてしまった。
商店街をすすめば、個性的なガーデニング用品や見なれない植物を売っている。
あっちでは骨董品がところ狭しと並んでいる。
あらこの和菓子屋さん何てきれい、おいしそう。と 東京にはない新鮮な驚きがあって楽しい。
行く先々で寄り道をしてひっかかって、なかなか〝つるや″にたどりつけない。
つるやは注文してから焼くので50分ぐらい待つことになる。
でも焼き立てはふわふわでおいしい。皮と身のさかいがわからないふわふわ。ご飯粒もおいしい。
こんな素敵な街鎌倉に住んでみたい。
2016年10月6日
10月5日午後3時 〝はな″の死亡を確認した。
はなちゃんのこの二か月の闘病生活中、時々思った。
〝はな”が居なくなれば、毎日のごはんの工夫もいらないし(美味しく食べていてもすぐ飽きて、ほかの美味しい物を要求した)
トイレの世話だってしなくていいし、
はなのいない生活を、想像していたりもした。
10月1日から全く食事を受け付けなくなり、あきらかな脱水症状で、よろよろしながらもベランダで寝たり3Fの部屋に行ったり、よく動けるもんだ。
こういう時間がまだまだ続くような気がしていた。
昨日今日はただただ横になって、コーヒーの木の鉢下に入り込んで人を寄せ付けない、それでいてすべてを受け入れている眼。
ストイックで、高貴な感じだった。
主人が「僕もああいう風になったら、医者につれていかないで。 ご飯を無理やり食べさせないで、放置して!!」と言う。
5日の日一晩家にいてお別れして、今日火葬場へつれていってもらう事にした。
明日からもまだ私の人生は続く。
〝はな”なんか居なくたってぜんぜん平気だしー、私もいつかこんな風になるしー、と言ってみたが、
ダンボール箱に入れられた〝はな”が、我が家から去ったとたんに現実がせまってきて、大泣きしてしまった。
これからの人生で必ず来るであろう「別れ」の練習になる。
人もペットもそんなに違わないのでは、、〝いのち” を強烈に感じてる私。