2008年3月29日
ちょっとマニアックな 私と同世代の人なら何やら懐かしいにおいのする映画をご紹介します
ジム・ジャームッシュ監督作品「コーヒー&シガレッツ」
これはモノートーンのちょっと心重い空気のただよう11篇の短編オムニバス映画
話の舞台はすべてカフェ
人生は コーヒーを飲みながら タバコをすいながら 様々な人達が どうでも良さそうで どうでもよくない そんな会話がテーブルを挟んでくりひろげられる
ジム・ジャームッシュ監督の独特な空気感が伝わる 私にとってはおしゃれで不思議な世界
ジム・ジャームッシュ監督には何気ない リラックスした日常の一片を切り取っていて
会話するテーブルには常にコーヒーとタバコが置かれている
疲れた心と体を癒してくれる
コーヒー一杯
タバコを一服
会話を楽しむ
人生を楽しむ
2008年3月14日
私の記憶では1960年頃 コーヒーといえばインスタントコーヒーが一般的で 私が高校生の頃「インスタントコーヒーを毎日飲んでいる」というだけでも ちょっと鼻が高いような・・・そんな特別な欧風文化のにおいがする飲み物だった
ましてや レギュラーコーヒーをその当時飲んでいる家庭は 相当な上流階級 もしくは 文化的なおしゃれな家で 特別なルートでもない限り入手できるものではなかった
インスタントコーヒーを発明したのが日本人だという事知っていますか?
100年程前の アメリカのシカゴ在住の日本人科学者 加藤サルトリ博士が抽出したコーヒー液を真空乾燥して「ソリュブル・コフィー」(可溶コーヒー)としてアメリカの博覧会で売り出したのが初めてらしいです びっくりですよね
でも結局 アメリカ人のワシントンさんが改良して売り出した「インスタントコーヒー」が第一次世界大戦で兵士達が簡単に飲めるコーヒー と言う事で爆発的に需要が増えたことから
その後「ネッスル社」が製造技術を完成し 今のようにポピュラーな商品になったようです
インスタントコーヒーを美味しく飲むには 熱い湯ほど美味しく ぬるくなるととたんに味が落ちるから要注意です
インスタントコーヒーをティースプーンに山盛一杯 暖めたカップに入れ 沸騰したてのお湯を注ぐ
ティースプーン山盛一杯は約2g 普通のカップ八分目のお湯は140cc これが標準
あとは好みで粉を多くいれるか お湯の量を加減するか
砂糖とミルクを入れると又温度が下がるからミルクを温めて入れるか もう一度沸かすかしたほうが美味しい くれぐれもお湯は熱く
そして量が多くて安い と言う事につられて買ってはダメです
湿気させてはコーヒーの価値がなくなります
味よく 香りよく 毎日を楽しむ ほんのささやかな贅沢で それなりに心潤うんですから
2008年3月3日
“コバヤシ”はいつも元気で表裏がない娘だった
よく働いてくれた その上肌の白いちょっとした美人であった
コーヒーを飲みに来てくださるお客さまにも大きなよく通る声で答えて 周りをよく笑わせていた
人気者で私達はずいぶん助けられた
しかし店で働くきっかけになったのは 福祉事務所に勤める友人から打診があったからである
「訳ありなので普通の所では勤められないから お宅で働かせて貰えないか」と言う事だった
ふたりの小さな男の子をつれていた
7才と4才位だったろうか・・・
住むところが無かったので福祉事務所で手配してくださった区の母子寮から店に通って来ていた
それから 子供達はそれぞれ地元の小学校と保育園に通わせていた
母子寮では住宅費がかからないので食費だけ使って
ささやかなお給料からできるだけの貯金をしていた よく「貯蓄の母です はい!」と笑っていた
そこには子供のために生き生き働いている母の凛とした姿がいつもあった
家で5.6年も勤めてくれた頃に 母子寮の職員からすすめられて
小学校の用務員募集の試験を受けてみないかと
話を頂いて 当時すごい倍率の中を受かったのだ
それからは今でも公務員として小学校で元気に働いている
母子寮のなかでも 日日の真面目な生活ぶりを認められての事で
きっと推薦もしてくださったのかもしれない
あれから13年も経つのに 折にふれ近況報告の連絡もしてくれている
今では 長男は花屋さんに勤めてフラワーアレンジの勉強をしているし
下の恥ずかしがりやの細い男の子は保育士になる学校に通っているらしい
昨日 初めて長男の勤めている花屋を覗いてみた
写真の花が彼が作った作品である
すっかりいい男に変貌してしっかりした声で
「あーっ わかりましたょ!」とニコニコ歩み寄ってくれる凛々しい姿に
“コバヤシ”のつかみ取った幸せを 私はしみじみ感じた